| 花火 <総集編>
コミックスに先行する形で発売された大判の総集編。
当時の立原の原発に対する想いを巻末に寄せています。
作者のことば
他の種々の連載の中、総集編『花火』のための4話分の描き下ろしは、大変でした。
読者の一部の方は、『花火』のいきさつ、ご存知かとは思いますが、某社“ギガ誌”休刊ゆえ、
未完に終わっていた作品です。本来、連載が続き完結させていたら、今回の作品の5倍以上の
量で、物語も用意されていたのですが、とにかく完成させるべく、中略・中略という形で、話を
進めました。原発への想い、まだまだ雑多にありますが、私、一個人の賛否は棚上げしたつもりです。
日輪組の組員のように、住民が決めればよい事、人々の話し合いの中、決められてゆけば
いいと、今は想っています。電気のない生活を選ぶのも、環境が破壊されてゆく不安を抱き
続ける事を選ぶのも、民の選択です。とにかく、中断した作品を再び描き始める事は、
去られた恋人、忘れてしまった恋人を追いかけるようなつらさはありました。
訪ねあてて、一日、二日と暮らすうちに、再び想いが、わきあがってきます。
こういうのを、焼けぼっくいに火がつくというのでしょうか。
この小誌を、手にとり、お買いあげ 下さった諸兄に感謝です。 立原あゆみ |